スマホの速度が遅い、電波が悪いのは対応周波数が原因！？5Gもチェック

2019.01.25                

格安SIMへ乗り換える際、今まで使用していたスマホをそのまま使いたい人や、この機会に気になるスマホに機種変更したい人など、スマホ端末選びに迷っている人もいますよね。

実は使用するスマホ端末と、利用する回線の周波数の組み合わせは、とても重要なんです。

スマホ端末を選ぶ際は、メーカーやデザインだけでなく、周波数も必ずチェックして選んでください。

この記事では対応周波数帯やその特徴、注意点なども併せて解説。さらに2020年からサービス開始予定の5Gについても少し触れていきます。

大手キャリアの対応周波数帯（バンド）は？

ドコモ、au、ソフトバンクはそれぞれ使用している周波数が異なります。

格安SIMではレンタルしているキャリアの対応周波数が重要となるので、必ずチェックしてください。

バンド（周波数）	ドコモ	au	ソフトバンク
1（2.1GHz）	3G／LTE	3G／LTE	3G／LTE
3（1.7GHz）	LTE※	LTE	LTE
8（900MHz）			3G／LTE
11（1.5GHz）		LTE	LTE
18／26（800MHz）		3G／LTE
19（800MHz）	3G／LTE
21（1.5GHz）	LTE
28（700MHz）	LTE	LTE	LTE
42（3.5GHz）	LTE	LTE	LTE

赤い文字のBandは必須周波数帯です。この周波数がないとほぼ使いものにならないでしょう。

上の表を見るとわかるとおり、キャリアによって使用している周波数帯が異なります。

各キャリアによって使用している周波数が異なりますので、必ず自分が利用する格安SIMの回線の周波数を確認し、自分が利用する予定のスマホ端末の対応Bandを確認してください。

次の画像はiPhone XSとXiaomi POCOのスペック表を比較したものです。

iPhoneがたくさんのBandに対応しているのに対し、Xiaomiの対応Bandはとても少ないです。

Xiaomiでもスマホが使えないわけではありませんが、iPhoneに比べ速度が遅くなったり電波が入らなかったりすることが多いでしょう。

周波数帯の特徴を知ろう！各Bandを簡単解説

現在携帯電話で使用されている周波数は700MHzなどの低周波から3.5GHzなどの高周波までいろいろな数値があります。

低周波と高周波の特徴は次のとおりです。

	メリット	デメリット
低周波	高層ビル群や山など障害物があっても繋がりやすい	通信速度が遅く、送受信できる情報が少ない
高周波	通信速度が速く、送受信できる情報が多い	高層ビル群や山などでは繋がりにくい

低周波数の周波数帯の場合、障害物があっても回り込んで伝えることができるので、高層ビル群や山間部などでも繋がりやすいです。

一方高周波なほど通信速度が速くたくさんの情報量を送受信することができますが、障害物があると電波が届きにくくなります。

さらに各Bandによって特徴があるので解説します。

Band	特徴
1	すべてのキャリアがLTEと3Gで利用する重要なバンド
3	主にドコモが東名阪エリアで使用するバンド
8	速度は遅いけれど郊外や山間部をカバーするソフトバンクのプラチナバンド
11	auではB1とB18の補完バンドのため、なくても利用可能。ソフトバンクはまだあまり運用されていないので今はそれほど必要ではない
18/26	速度は遅いけれど郊外や山間部をカバーするauのプラチナバンド
19	速度は遅いけれど郊外や山間部をカバーするドコモのプラチナバンド
21	北海道・東北・四国・北陸等の地方都市で使用するバンド。ドコモ独自のバンドのため海外製スマホはほとんど対応していない
28	新しいプラチナバンドだがまだ整備が進んでいない。今後利用度が高くなる可能性はある
42	新しく総務省から割り当てられたキャリアアグリゲーションで使用するバンド。今後利用されていく予定だが対応端末がまだ少ない

スマホを利用する地域や場所などによって、必要なBandは異なります。

iPhoneやハイスペックなAndroidは比較的多くの周波数帯に対応していますが、安価なスマホ端末は少ないBandしか対応していないことがあるので注意してください。

3G？4G？LTEとVoLTEって何が違うの？知っておきたい基礎知識

まずは3Gや4Gについて説明します。

この「G」は英語の「Generation（世代）」のGです。かつては1Gや2Gの時代がありました。

そしてドコモのFOMAなどが誕生し、3G（第3世代移動通信システム）となり、現在は3Gよりも高速な通信4Gが主流となっています。

なお4Gは様々な通信規格の総称。「LTE」は3.9Gなので厳密に言うと4Gではありませんが、現在では世界的にLTEを4Gと呼ぶことが認められるようになりました。

3G回線について解説！au（KDDI）の3G「CDMA2000」は世界的にもレアな方式

3Gが登場した2000年代前半。ドコモはiモードなどを発表し、ユーザーはメールやニュースなどを閲覧し楽しみました。

3Gと一言で言っても、キャリアごとに採用している通信システムが異なります。

ドコモとソフトバンクがW-CDMA方式、auがCDMA2000 1x方式です。

通信方式	W-CDMA	CDMA2000 1x
通信方式の特徴	・世界的に普及 ・多くの端末が対応している	・レアな方式 ・対応端末が少ない
採用キャリア	ドコモ、ソフトバンク	au

W-CDMA方式は世界的に広く普及している方式で、auが採用するCDMA2000 1xはレアな方式。

ドコモやソフトバンクのスマホ端末や海外製のSIMフリー端末の場合、「CDMA2000 1x」方式には対応していないことも多く、その場合auのSIMでは3G回線は利用できません。

全キャリアで3G回線は2020年代半ば頃に終了予定

3Gよりも高速なLTEが登場しスマホ時代が到来した現在ですが、3Gが消滅しないのには理由があります。

LTE回線がスタートした当時はデータ通信のみの対応だったため、データ通信はLTE、音声通話は3G回線を使用していました。

しかし技術が進み、LTE回線でも音声通話ができるように。それが「VoLTE（ボルテ）」です。

VoLTEは通話しながらデータ通信ができ、音質もよく接続が速いですが、障害物に弱く建物の中や山などでは電波が繋がりにくいことも。

そんなときドコモとソフトバンクはVoLTEから3Gに自動で接続し通話をします。

大手キャリア3社すべての回線がVoLTEを利用できますが、ドコモとソフトバンクにおいては電波の届きにくい場所では現在も3G回線で通話をしています。

ただしauは少し違います。

ここからは少しわかりにくいau VoLTEについて解説しましょう。

気をつけなければならない「au VoLTE」について

au回線のSIMカードには2種類ありますが、互換性がないのでスマホ端末選びがとても重要です。

1. 音声通話を3Gで行うSIMカード
2. 音声通話をVoLTEで行うSIMカード

3G回線で通話をするSIMカード（1）の場合、VoLTEは一切利用できません。

つまり「CDMA2000 1x」に対応したスマホ端末に挿入しないと利用不可。

一方、VoLTEで通話をするSIMカード（2）の場合、必ず挿入するスマホはVoLTE対応端末である必要があります。

もしVoLTE非対応の端末に挿入すると、まったく電波を拾いません。

2020年サービス開始予定の5Gって？

先程説明したように、アナログ方式を利用していた1G（第1世代）からメールやネットに対応した2G（第2世代）に進化し、2Gを高速化した3G（第3世代）、現在はさらに高速化した4G（第4世代）が実現し、多くの人がスマホで高速インターネットを楽しんでいます。

しかし世界では5G（ファイブジー）に向け、着々と準備が進められているようです。

5Gになると通信の高速化だけでなく、身の回りのあらゆるアイテムとネットワークで繋がり、IoT化が一気に進むと言われています。

しかし総務省や大手キャリアにインタビューしたところ「今のところ発表できることは何もない」という返答でした。

3Gから4Gになった際ガラケーからスマホに変わりましたが、現在使用しているLTE対応のスマホが5Gに対応するのでしょうか。

もしかすると5Gになるとスマホ（スマホとは別のガジェットになるかもしれませんが）を新調しなければならないかもしれません。

5Gは2020年の実用化を目指しています。2020年はもうすぐそこです。

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