光コラボとは！？乗り換え前に知っておきたいメリット＆デメリット

2019.07.22                

最近よく耳にする「光コラボレーション（光コラボ）」という言葉。

しかしどんなサービスなのか、よく分からないという人も多いですよね。

NTTが提供している光回線サービスを「フレッツ光」といいますが、このフレッツ光の回線をNTTから借り受けた事業者が、独自のサービスをプラスしてユーザーに提供するのが「光コラボレーション」です。

一方で光コラボには注意点がいくつかあります。

デメリットを知らずに契約をして後悔しないために、この記事でしっかり確認してから乗り換えてください。

光コラボレーションとは？NTT回線以外の独自の光回線に注意

光コラボレーションとは、NTT東日本やNTT西日本が自社の光回線設備を他社（事業者）に貸し、借り受けた事業者が独自のサービスをつけてユーザーに提供するものです。

NTTは「フレッツ光」という形で光回線のサービスをユーザーに提供していますが、NTT法という法律によりプロバイダとセットで販売することができません。そのためプロバイダ契約は別でする必要があります。

一方で光コラボレーション事業者は、一般的にプロバイダとセットにしたり独自の割引をしたりしてユーザーに光回線サービスを提供することが可能です。

NTTの光回線を利用している光コラボレーション事業者は、現在600社を超えると言われており、主な事業者は次の通りです。

またNTT回線ではなく、独自の光回線を持ちサービスを展開している会社もありますので、合わせて紹介します。

光コラボ	独自の光回線
ドコモ光 SoftBank光 ビッグローブ光 OCN光 DTI光 DMM光 So-net光 楽天コミュニケーションズ光 U-NEXT光 IIJmioひかり 　　　　　　　…など	auひかり NURO光 eo光 コミュファ光 BBIQ（ビビック） 　　　　　　　…など

NTTの光回線は全国的に広い範囲をカバーしているのに対し、独自の光回線を持つ事業者は比較的狭いエリアでサービスを提供している事業者が多いです。

例えばBBIQは九州電力グループのネットワークを利用しているため、九州地方の人が契約可能な光回線。auひかりは全国展開していますが、まだNTTに比べるとカバーエリアは狭いです。

「フレッツ光」から「光コラボ」への乗り換えは簡単！別回線は注意

先述のとおり「光コラボ」は、NTTのフレッツ光回線を利用してサービスを運営しています。同じ回線を利用しているので、工事不要で簡単に乗り換えることが可能。

しかし光コラボではなく独自の光回線事業者の場合、NTT回線とは別の光回線を利用することになるので新規工事が必要となります。

このようにNTT回線を利用した「フレッツ光」や「光コラボ」と、独自の光回線網を持つ「auひかり」や「NURO光」などで相互乗り換えはできません。新規工事が必要となるので注意してください。

光コラボ3つのメリットを解説！格安SIMとのセット割もあり

NTTのフレッツ光回線を利用した光コラボには、3つの大きなメリットがあります。

• 回線とプロバイダ契約がセット
• フレッツ光より料金が安くなることが多い
• フレッツ光利用者は工事が不要

フレッツ光は光回線の料金をNTTに、そしてプロバイダ契約は別の会社としなければならないため、料金の支払いは2カ所。

しかし光コラボなら支払いを一本化でき、料金も安くなることがほとんどです。

またフレッツ光を利用している人なら同じ回線を利用するので、新規工事不要。工事費もかかりません。

光コラボ4つのデメリット！光コラボからの乗り換えは要注意

光コラボには気をつけなければならない4つのことがあります。しっかり理解したうえで乗り換えてください。

• 速度が遅くなる可能性がある
• プロバイダの違約金が発生することがある
• 電話番号が引き継げない可能性がある
• フレッツ光に簡単に戻せない

ではひとつずつ解説します。

速度が遅くなる可能性も！実際に使ってみないとわからない

フレッツ光をはじめ、光回線各社のサイトを見ると「最大1Gbps」「ベストエフォート」などと書かれています。

これは「最大速度がでれば1Gbpsです」ということ。逆の言い方をすれば「1Gbpsの速度はでないこともあります」ということです。

光回線なのにも関わらずあまり速度が出ず、ストレスを感じてしまうことも。

光コラボに乗り換えてから速度がでなくなってしまったという人もいるため、乗り換えには慎重な対応が必要です。

速度が出ない原因はいくつかあります。

• プロバイダが混雑している
• IPv4回線が混雑している
• パソコンやルーターなどのスペックが低い

それぞれ解説します。

プロバイダが混雑している

光回線はネット利用者が増える20時～24時の時間帯に、速度が極端に遅くなることがあります。

これは同じプロバイダの利用者が集中して利用することで混雑し、速度が遅くなるのです。

道路がプロバイダ、車が利用者に例えて説明してみましょう。

同じ道幅の道路であっても、車が少なければスイスイ快適に走行できます。しかし車が多いと渋滞し、速度が遅くなります。

このようにプロバイダも同じ時間に集中すると速度が遅くなるのです。

つまり加入者が多い（車の数が多い）プロバイダの場合速度が遅くなる傾向にありますが、プロバイダの設備が強ければ（車線数が多い、道幅が太い）問題ありません。

誰もが聞いたことのある有名なプロバイダや光コラボの場合、ユーザー数が多いですがその分設備投資もしっかりされていることが多いです。

小規模なプロバイダや光コラボは加入者は少ないですが、設備も小規模なため速度が出ないことも。

また住んでいる地域のユーザー数によっても速度は異なります。

例えば口コミなどを見て「〇〇光は遅い！」という書き込みがあったとしても、それが自宅周辺でなければその情報は当てになりません。自分の家ではとても速い可能性も大いにあります。

逆に「〇〇光が爆速」などといった書き込みがあったとしても、自宅周辺で同じユーザーが多い場合は遅くなってしまう可能性も。

実際に使用してみて遅かった場合、プロバイダを乗り換えるか、プロバイダが設備を増設するかしか、改善の余地はありません。

IPv4回線が混雑している

フレッツ光や光コラボを利用している人は、基本的に「IPv4 PPPoE」という接続方式で通信をしています。

このIPv4 PPPoE方式は別名「トンネル方式」とも呼ばれていて、インターネットに接続する際にトンネルを通らなければなりません。

自動車でもトンネルの出口が渋滞することがありますが、IPv4回線も同じ。ユーザーが多いとトンネルの出口が混み合い、速度が低下してしまいます。

利用者の少ない昼間は比較的スムーズに利用できますが、夜間になると利用者が集中するため速度が低下するのです。

そこで登場したのが「IPv6 IPoE」方式。

IPv4に比べ利用者の少ないIPv6 IPoE方式は、トンネルを通らないので出口の渋滞にハマることなく快適な通信環境が実現します。

ただしこのIPv6 IPoE方式は、自宅で利用しているルーターが対応していなければ利用できません。

さらに閲覧しているサイト自体もIPv6に対応している必要がありますが、実際にはIPv4しか対応していないサイトも多いです。

そんな時に助かるサービスが「IPv4 over IPv6」。

「IPv4 over IPv6」は、利用者側は安定した速度が出せるIPv6方式で接続しますが、IPv4しか対応していないサイトを閲覧する際はIPv4に自動変換してくれるサービスです。

パソコンやルーターなどのスペックが低い

速度の遅さは回線が原因なだけではありません。

古いパソコンやルーターなどを使用している場合、高速処理に対応できず低速になっている場合があります。

せっかくIPv6を契約していても、ルーターがIPv4にしか対応していなければ利用できません。もしIPv6を利用するなら必ず対応ルーターを用意してください。

この場合はスペックの高いものに変える以外、方法はありません。

プロバイダの違約金が発生することがある

NTTのフレッツ光の場合、光回線の契約とは別にプロバイダ契約をしています。

フレッツ光から光コラボへの「転用」の場合、フレッツ光の違約金は不要。

しかしプロバイダを解約しなければならないため、プロバイダの違約金が発生する場合があります。

プロバイダ契約には最低利用期間が決められていることが多く、満了前だと違約金がかかるので注意してください。

電話番号が引き継げない可能性がある

まだインターネットを利用していない頃から使っている電話番号、いわゆる「家電（イエデン）」を維持している人は多いですよね。

光回線を契約する際に、その電話番号をそのまま使えると聞いてひかり電話にした人もいるのではないでしょうか。

実は一旦ひかり電話にしてしまうと、次に光コラボに乗り換える際、電話番号の引き継ぎがやや面倒です。

もともとNTTのアナログ回線で発番された電話番号をずっと使い続けたい場合、アナログからフレッツ光へは簡単に移行可能。またフレッツ光から光コラボへの「転用」の場合も簡単に移行できます。

しかし「光コラボ」から「光コラボ」へは電話番号の引き継ぎができないため、一旦電話番号をNTTのアナログ回線に戻し、光コラボの乗り換え手続きが整ってから、再びひかり電話にするという手続きが必要です。

しかもアナログ回線に戻す際工事が必要になるケースも少なくなく、その費用は1万円を超えることも。

そしてNTTのアナログ回線からひかり電話にし、再びアナログ回線に戻すまでの期間は10年です。

それを超えると自動的に解約となってしまい、アナログの加入権は消失してしまいます。

簡単にはフレッツ光に戻せない

「フレッツ光」から「光コラボ」への乗り換えは『転用』で、工事も必要なく電話番号などの引き継ぎも簡単でした。

しかし「光コラボ」から「フレッツ光」へ戻す場合は『新規』、「光コラボ」から「光コラボ」への乗り換えも『新規』です。

手続きなども面倒で、引き継げないものもあります。

多くの場合新規工事が必要となり、もちろん工事費もかかることを理解しておきましょう。

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